わたしたちの住む日本には、先人たちが紡いできた伝統文化があります。
世界的に注目を浴びている日本文化ですが、意外と現代を生きるわたしたちには縁遠いものになっていませんか?
【楽しみながら「和」を感じる】では、意外と非日常になってしまいがちな日本の伝統文化を、楽しみながら体験できるものをご紹介していきます。
日本人であるわたしたちにとって、大切なものを思い出せるかもしれません。
今回は、水墨画についてご紹介していきます。
水墨画は、中国の唐の時代に生まれた表現技法です。
その後しばらく経った後、日本が鎌倉時代に入ると禅宗文化を積極的に学ぼうとした者たちが出始め、その流れで水墨画が多く日本に入ってくることとなりました。
室町時代になると、水墨画は日本独自の発展の道へと進んでいくことになります。
当時の将軍家であった足利家の保護を受け、雪舟を始めとした多くの有名画家たちが優れた作品を手掛けるようになっていきました。
その勢いのまま、豪華できらびやかな物が良しとされた戦国時代でも、水墨画は重要な技法とされ、学ばれ続けました。
江戸時代に入ると、その平和な世の中のもとで文化が発達し、水墨画も同じように流派を分かちながらも発展し続けていきました。
明治時代の西洋化によって絵画に関しても西洋の技術が評価されるようになります。
そんな時代であっても、日本画の巨匠とも呼べるような画家たちが水墨画を守り続け、乗り越えてきました。
そうした歴史を経て、水墨画は現代にまで残り続ける伝統となったのです。
水墨画とは、読んで字の如く、墨を使って描かれた絵画のことを言います。
歴史の教科書などで目にしたことのある方も多いのではないでしょうか。
しかし現代における水墨画は一味違うんです。
墨一色だけでなく、そこに絵の具で彩りを加えた、新たな表現技法が生まれています。
墨の濃淡やにじみ、かすれと言った元々合った魅力だけでなく、そこに色彩まで加えた現代の水墨画は教科書で見た作品に勝るとも劣らない唯一無二の魅力を放っています。
まずは道具の用意から。
水墨画用の紙に、筆、墨と絵の具。
それぞれを分けていれる容器も用意しておきます。
準備ができたら、いよいよ描いていきます。
水を混ぜて、濃い墨と薄い墨を作っていきます。
この2種類を上手く使い分けることで、水墨画特有の濃淡を表現する事ができるんです。
今日は稲を描いてみます。
筆を細く使うように気をつけてください。
このとき、筆の穂先がグラデーションになっていることを意識しましょう。
細い線、太い線。
色々な線で描いたほうがバランスが取りやすくなります。
稲穂がかけたら、次は葉っぱです。
かすれを活かしながら描いていくと、味のある仕上がりになります。
ここまで描ければ、あとは色を付けていきます。
黒い墨がついた筆のまま、金色の絵の具をとっていきます。
先程描いた稲穂の左右に、稲を描き足します。
あっという間に稲の完成です。
縦長のモチーフなので、ハガキに描いてみると趣のあるデザインになるかもしれません。
今回ご紹介したのは、長い歴史を持つ表現である、水墨画でした。
墨ならではの、濃淡やかすれといった技法で趣深い作品に仕上げることができました。
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