せわしない平日から解放された、わたしだけの休日。
まったりしたりしつつも、休日にしかできないことをして充実させたいもの。
【わたしの休日】では、とある素敵な休日をお届けしていきます。胸を躍らせるような週末の過ごし方が、みつかるかもしれません。
せっかくの休日。
なのに特別な予定はなんにもなくて、朝から淡々と家事をこなすだけ。
ちょっとお出かけしようかな……なんて思いながらベランダに出てみると、空はどんよりと暗く、冷たい風が頬を撫でました。これは午後あたりから、ひと雨来そうな予感。
太陽が顔を出さない日は、なんだか気分まで重くなってしまいます。
でも見方を変えれば、こんな一日だからこそできることだってあるはず。
そう考えて、服を着替えてエコバッグを用意。雨が降り出す前に、すぐ近所のスーパーマーケットへ足を運びます。
ゆったりと過ごす静かな休日。たまには、お菓子でも作ろうかな。
それも、家ではなかなか作ることのない、和菓子。
伝統を感じさせつつも、小ぶりな見た目がなんとも愛らしい和菓子。
どれも魅力的だけれど、中でも私が愛してやまないのは、いちご大福。生地のもちもちの食感と、口いっぱいに広がるいちごの風味が、絶妙にマッチしてたまらないのです。
今日は初めてのいちご大福作りに挑戦。
あんから生地まですべて手作り。使う材料と道具も、実は一般的なもので十分です。
エプロンを身に着けて、ゴム手袋もはめれば、気分は和菓子職人。さっそく作っていきましょう。
大福に欠かせないのは、なんと言ってもあんの存在。今回作るのは、白あんとゆで卵の黄身を合わせた「黄身あん」です。
色鮮やかで、ついついこのまま食べてしまいたくなります。でも、大福になるまでちょっと我慢。
いちごとあんを包む生地は、もち粉やグラニュー糖などを混ぜるだけ。へらを使って空気を入れながら混ぜるようにすると、ふわっとした生地に仕上がるそう。
だんだん腕が疲れてきたけれど根気強く混ぜ続けていると、弾力が増して大福らしいもちもちの生地が完成しました。
できあがった生地と黄身あんを重ね、その上にいちごを丸ごと1個、どっかりと乗せちゃいましょう。
全体を手の中で回しながら、力を入れすぎないように包んでいくのがポイント。
こうして大福の中身を生地とあんで包むことを、「包餡(ほうあん)」と言うのです。
いちごにひとつひとつ真っ白な生地をまとわせてあげる時間は、心安らぐひととき。
いつしか降り出した雨の音をBGMに、包あんに没頭していると、あっという間に生地といちごがなくなって、丸くかわいらしい大福が行儀よくお皿に並んでいました。
透き通るような白い生地から、ほんの少しだけ顔を覗かせる、いちごの赤。
一口で食べてしまうのはもったいないから、半分に割って口に運びます。
和菓子らしいほんのりとした優しい甘さで、熱い緑茶が欲しくなる味。
もち粉や米粉がまだ余っているので、別の餅菓子にも挑戦。
いちご大福と同じ手順で作った生地によもぎを加えて、こしあんを包めば……ほら、草餅のできあがり。
さらに、よもぎの代わりに生クリームを使って、和洋折衷な生クリーム大福だってお手のもの。
材料をほんの少し変えるだけで、いろんな餅菓子が簡単に手作りできちゃいます。
なんだか敷居が高そうで、家での手作りは諦めかけていた和菓子。
こんなにも手軽に作れるんだ。そう知れたから、あいにくのお天気だったけどちょっぴり幸せな一日になりました。
次の日曜日、もし晴れたら、友達を家に呼んで手作り和菓子でお茶会なんてのも素敵かも。そうと決まったら友達の分の材料と茶葉を買いに行かなきゃ。
雨が止んだら、出かけましょう。