週に一度、母との着物リメイク - miroom

2025/12/04

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週に一度、母との着物リメイク

目次

実家に昔からある大きなタンス。

「背も高くて倒れると危ないから」と、母が処分を考え始めました。



確かに引き出しも重く、高齢の母が暮らす実家でこのまま使うのは心配。

母自身がそう言うならと、わたしも処分を手伝うことにしました。


しかし大変なのは、そのタンスの中身をどうするか。



開けると出てきたのは、もう何十年も着ていない服、わたしが小さい頃に着ていたという服、新品のタオルなどなど。

「これ、覚えてる!」と、昔の記憶がなつかしく蘇ります。


手放すものと残すもの、母といろんな話をしながら整理していきました。


手放せない大切な着物



だいたいは分けられたのですが、唯一どうするか決められなかったものがありました。

それは母がおばあちゃんからもらったという、着物。



もう着ることはないけれど、手放すのは寂しい。

しかし着物はたくさんあり、全部を置いておくのは少し無理がありそうです。


手放さずに何かに活かせる方法はないかな?と調べていると、「着物リメイク」というものがあることを知りました。


着物が洋服に生まれ変わる



眠っている着物を洋服にリメイク。

スカートやベスト、ワンピースなど、母も着られそうな服が並んでいます。



「これ、着物で作れるの?」母は驚いていましたが、すぐに「素敵!」と着物リメイクに興味を持ったようです。

手縫いでできると知り、「この大切な着物は手放さずにリメイクしてみよう」ということになりました。


まずは小さな小物作りから



週に一度、実家でわたしと母の着物リメイクレッスンがはじまりました。

動画でまず基本のテクニックを学び、簡単な小物へのリメイクから挑戦です。



わたしは裁縫をあまりしてこなかったのですが、飲み込みの早い母にびっくり。


「ここ、どうするの?」など母に聞きながら、いっしょに過ごす久しぶりの親子の時間。

「この着物、おばあちゃんがよく着てたなあ」と、昔話にも花が咲きます。



手ぬいの着物リメイク 基本のテクニック編 高橋恵美子先生


手ぬいの着物リメイク 入門編 高橋恵美子先生


いろいろなリメイクを楽しむ



翌週、その翌週と実家に通うたび、わたしと母の進み具合にはどんどん差がついていきました。

母はわたしが来ない日にも、着物リメイクを楽しんでいたようです。



「あ!」ある日の母は、着物リメイクで作ったスカートを着ていました。


「いいね」「うん、けっこういいね」

嬉しそうな母の姿を見ていると、昔のおばあちゃんの着物姿も浮かんでくるようです。



初心者のわたしもロングベストが完成。

袖を通すと、どこか懐かしいような不思議な感覚にじんわりとしました。



母はどんどん着物リメイクを進め、出来上がった服を自分で着たり、わたしにプレゼントしてくれたり。

生まれ変わった着物のコーディネイトを考えるのも、楽しい時間です。


着物リメイクがくれた豊かな時間



やがてすべての着物をリメイクし、タンスも処分が済んですっきりとした実家の部屋。

親子のレッスンの時間は終わりましたが、今も週に一度実家に通っています。


「リメイクが楽しかったから、他の洋服も作ってみようと思って」

着物地の素敵な洋服を着た母は、また新しい趣味を見つけたようです。



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高橋恵美子先生